子供がもつ社会的役割
世界の発展途上国は多産（多くは多死）で知られます。
なぜ多くの子供が必要とされるのでしょうか。
多くの教科書的な解答は主に３つあると思います。
１高死亡率
不衛生，医療の普及不足などによる乳幼児死亡率が高く
多死となることに対応し，家族を維持するために。
２労働力不足
貧しい家族は家計を支える労働力が必要で
そのための子供の労働が期待されるから。
３社会保障の代替
社会保障が未整備の途上国での，
老後の生活保障としての役割を期待されるから。
ここ先進国の日本では１，２は当然必要とされません。
しかし，
３については違い，
現在，これからの日本でも十分有効な子供をもつ理由になります。
デフォルト，財政危機のリスク
少子高齢化，景気の低迷により，年金制度は破綻しかけ，
ご存じのように年々年金支給年齢が引き上げられ，支給額も減っています。
ふくれあがる医療費，３・１１の津波と，東京電力の福島原発事故，
東北の被災地復興のための支出なども国債の発行を加速させており，
日本経済に非常に閉塞感を感じます。
また，実力，格差社会，生きにくい社会がより一層強化され，
雇用なども，不安定要素が増える一方で，
これからの日本は一寸先は闇の状況です。
私の友達の早稲田の理工の院を出て，超有名メーカーに入社したエリート
（自らいくつかの特許を取るようなキレるやつ）でさえ，
この前，会社の経営が傾き，所属する部門ごとリストラされました。
もちろん，私は経済の専門化ではないので，詳細な予測は出来ませんが，
歳費の増加と比例して，国債が積み上がり，
累積債務の不良債権化が起きる，
つまり，デフォルト（債務不履行）する危険があることは容易に理解できます。
財政危機が深刻化した場合，
ついに，デフォルトになった場合大変です。
ギリシャのように，国際的経済協力機構のEUのような後ろ盾が日本にはありません。
アメリカは基本的に自己責任の国。安全保障はしても経済援助はおそらく無い
（あっても申し訳程度）と考えます。
いくら今，年金を払っていても，国家財政が行き詰まれば，
真っ先に削られるのは最も高額な高齢者への
社会福祉（年金や医療サービス）であることは目に見えています。
（現に削られつつあり，まもなく，年金の納付額より給付額が多くなる，
つまり，年金は払うほど損をする状況になると予想されています）
貯金も意味なし！？ 物価変動のリスク
また，単純にインフレが起きる危険もあります。
日本の物価はここ３０年ほどはあまり変わっていませんが，
戦後～高度成長期～１９８５年まで急激にインフレが起きています。
これは経済成長，好景気に伴う健全なインフレだと考えます。
消費者物価指数↓の統計が示すように
おおよそ6５年→８５年の20年間で物価が約３倍に跳ね上がっています。
このように，物価はかなり変動するものだ，という認識が
安定期に育った，現在３０才くらいまでの人にはありませんが，
大きな誤りで危険なところです。
１年後の経済の状況も専門家ですら予想困難であることからわかるように
１０年スパンで考えたときの物価は全く予想できません。
貴女が仮に３０才だとして，働けなくなるのが７０才までの４０年。
この長期間でいくら貯蓄したとしても，
インフレによって貯金が三分の一になってしまうこともあり得るのです。
貯金に頼ることはしない方がよいのです。
子への投資
よく言われる賢明な道は，
最悪のケースを想定し，リスクヘッジをすること。
つまり，
最も堅実な生活保障に投資することです。
最後に頼れるのは
自分の親でも，兄弟でも，
金融，保険商品，でも貯蓄でもありません。
「ひと」，つまり，自分の子供だけです。
私は自分を産み，育ててくれた両親に最大限の感謝と愛情を持っています。
ここは共感頂けるでしょう。
そして，もちろん命の恩人たる親が倒れたときは喜んで支えます。
介護の費用，手術，入院費等々を子が負担するのは
部族主義，儒教的家族愛の価値観が根付いている日本人の道徳，基本倫理ですので，
９９％の日本人ならそうするはずです。（ある人はイヤイヤながらも）
（個人主義的な海外は知りませんが）。
高校までの養育費を仮に４百万円すると，
高卒でも生涯賃金は男女平均で２億円！
なんと５０倍
になって返ってくるのです。
当然，親の元に金が全て返ってくるワケではありませんが，
それでも，こういってはいやらしいですが，
自分に最も近しい収入源をもつ人であることは間違いないのです。
こんなに老後の安心，安全になるものは他にないのです。
血の繋がりが最も強く安定しています。
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